レオナルド・ダ・ヴィンチやフィンセント・ファン・ゴッホ、葛飾北斎といった画家は世界的にも知られています。しかし、同じ画家であったとしても描き方や芸術的思想によってテーマなどが大きく異なるのが特徴です。
では、これまで世に輩出されてきた有名な絵画はどういった特徴があるのでしょうか。
そこで今回は、絵の種類や特徴について詳しく解説します。
油彩絵
油絵は絵の種類の中でもよく使われるもので、油を結合剤として使っており、絵の具が乾くのが遅いのが特徴です。そのため、油絵を使った場合は細かく重ね塗りをすることができたり、修正を加えることができます。
また、油絵は豊かな色彩もあり、重ね塗りすることで重厚感のある表現をすることができ、耐久性にも優れているというのも特徴の1つです。さらに、保管状況などによりますが、数百年前の作品でも劣化しないなど耐久性にも優れています。
ちなみに、14世紀のオランダやベルギー周辺で誕生し、風景画や静物画など幅広いジャンルで使われてきました。
代表作
代表作としては『夜のカフェテラス』や『14輪のひまわり』、『モナ・リザ』、『落穂拾い』などがあります。
このように、油彩画はルネサンス期から印象派、ポスト印象派、現代まで幅広く使われている技法です。
水彩画
水彩画も絵の種類の中でポピュラーな手法となっており、水を溶剤として用いて描く技法となっています。
水彩画の最大の特徴は透明感と軽やかに描くことができることです。水彩画は絵の具を水で溶かしているので、水分量を調節することで濃さや透明感を変えることができます。
また、水彩画は繊細さやグラデーションといったことを表現するのに適しており、油絵とは対照的に絵の具が乾くのが早いです。
代表作
水彩画の代表作としては、『睡蓮』や『こびとたいのオーケストラ』、『富嶽三十六景』といった作品があり、どれも透明感のある美しい作品となっています。
フレスコ画
フレスコ画は乾ききっていない漆喰に砂や石灰、水などの顔料を使って描く技法です。フレスコ画は顔料が漆喰の炭酸化作用によって劇面と一体化するので、色褪せることがなく、長期間保存することができるというのが特徴となっています。また、フレスコ画は独特の落ち着いた柔らかい質感があるのも特徴ですが、漆喰が乾いてしまった場合は化学反応が起きないので書き直しや修正ができないのがデメリットです。
ちなみに、フレスコ画は壁画との相性がよく、ルネサンス期の教会や宮殿の装飾に多く用いられていました。
代表作
フレスコ画の代表作としては、『システィーナ礼拝堂天井画』や『最後の審判』、『アテナイの学堂』、『スクロヴェーニ礼拝堂の装飾画』などが挙げられます。
ちなみに、これらの作品はルネサンス期のバチカンやイタリア各地の教会や修道院に描かれたもので、フレスコ画の中でも傑作と評されることが多いです。
テンペラ画
テンペラ画は卵や牛乳といった乳化作用を持つ物質を固着剤として使っており、混ぜ合わせるという意味を持つtemperare が語源となっているとされています。乳化作用を持つ物質が顔料として使われているので、テンペラ画は速乾性と耐久性に優れており、鮮やかな発色と繊細な表現をすることが可能です。また、テンペラ画はマットな質感があり、ほこりがかったような仕上がりになるのも特徴ですが、性質的には壁画を描く際には不向きとなっています。
ちなみに、含有成分は画家によって異なるのも特徴の1つです。
代表作
テンペラ画の代表作は中世からルネサンス期にかけて多くあるとされています。そんなテンペラ画の代表作としては、『ヴィーナスの誕生』や『最後の晩餐』、『キリストの洗礼』、春(プリマヴェーラ)などが挙げられることが多いです。
アクリル画
アクリル画とは主成分がアクリル樹脂である絵の具を使って描かれた絵画のことを指しています。そんなアクリル画は描くときに水を使うことができ、乾燥後は耐水性となるので重ね塗りをしても下の色が溶け出すことがないのが特徴となっています。また、アクリル画は定着力が高いので、紙やキャンバス、木材、紙粘土といった油性面以外のものに描くことができるのも特徴です。
さらに、水を多めに配合することで水彩画のような仕上がりを行うことができ、反対に少なくすることで油彩画のようにすることができるのも特徴となっています。
代表作
アクリル画の代表作としては、『キャンベルスープ缶』や『狙撃されたマリリン』、『泣く女』といったものがあり、現代アートにも広く取り入れられているのが特徴です。
日本画
日本画とは名前からもわかる通り、岩絵具や墨といった日本特有の天然素材を使い、和紙や絹などに描く技法となっています。日本画では自然由来の深みのある色彩や質感が特徴であり、西洋画のような陰影や立体的な描写が少なく、平面的な表現が多いです。
また、日本画では余白などの空間を効果的に使い、静かさや空気感といったことを表現しています。
ただ、現代の日本画では伝統的な技法を守りつつも、油彩画やアクリル画といった西洋の表現を取り入れられるようにもなっているそうです。
代表作
日本画は明治時代に入ってきた油彩画などと区別するために生まれたとされており、やまと絵とも呼ばれていたようです。
そんな日本画の代表作としては、『女十題:黒猫』や『富士』、『虎図』、『ウォーターフォール』、『仲良きことは美しき哉』といったものが挙げられます。
水墨画
水墨画は墨と水を主な顔料として使い、濃淡やにじみ具合、かすれ、ぼかしなどといった表現を駆使した東アジア伝統の技法となっています。水墨画は墨と水しか使われていないので、モノクロの世界となっていますが、立体感や色彩感、無限の情景が生み出されているのが特徴です。
また、水墨画にはわび・さびといった美意識などが表現されており、人の創造性が重視されています。
代表作
水墨画は中国で生まれ、鎌倉時代に禅宗と共に日本に伝わり、独自の発展をとげてきたとされています。水墨画の代表作には、『四季山水図巻』や『秋冬山水図』、『松林図屛風』、『呂洞賓図』などがあり、国宝に指定されているものも多いです。
まとめ
今回は絵の種類や特徴について詳しく解説します。
絵画と一口に言っても絵の種類は数多く、使われている顔料などに大きな違いがあります。また、同じ技法を使ったからと言って全てが同じというわけでもなく、時代や作者によっても違うのが特徴です。
そのため、絵画鑑賞をするときは技法ごとに見ていくのも良いですし、時代ごとに区切ってみるのも良いのではないでしょうか。






