ロマン主義とは|歴史と新古典主義との違いを解説!日本での影響も

ロマン主義はヨーロッパを中心に広まった芸術思想の1つであるとされており、日本にも影響を与えてきたと言われています。

ロマン主義時代にはウジェーヌ・ドラクロワやウィリアム・ターナーといった画家が活躍していましたが、新古典主義とはどのような違いがあるのでしょうか。

そこで今回は、ロマン主義とは何か、歴史と新古典主義との違い、日本での影響について解説します。

ロマン主義とは|歴史と新古典主義との違いを解説!

ロマン主義は芸術だけではなく、文学、音楽、といったジャンルにも影響を与えていたとされており、新古典主義の次に到来した芸術思想だとされています。ロマン主義は新古典主義とは違った特徴がある芸術思想だとされていますが、どのような歴史を歩んできたのでしょうか。

それでは、ロマン主義とは何か、歴史と新古典主義との違いについて詳しくみていきましょう。

フランス革命の余波

ロマン主義が台頭する前は新古典主義が広まっていました。新古典主義はフランスアカデミーを中心に終了となっており、ナポレオン・ボナパルトのプロパガンダに利用されていたこともあり、政治とも結びつきがありました。

しかし、フランス革命をきっかけにフランク国内だけではなく、ヨーロッパ全土に影響を与え、社会的・政治的思想に変化があったとされています。そして、それによって理性ではなく、感情や情熱と内面といった部分を重んじても良いのではないかという風潮が出てきました。

内面世界を表現

ロマン主義は18世紀末から19世紀前半にヨーロッパに広まった芸術思想・精神運動の1つとされています。ロマン主義は理性や形式といった格式ばったことに囚われず、感情や個々の自由を重視していたのが特徴です。

ロマン主義時代に活躍していた芸術家は、自然界の美しさや中世時代の神秘、古代の伝説といったことに関心を寄せていたようで、それぞれが独自の手法で表現していました。

そのため、ロマン主義時代の作品には感情やイマジネーションといった部分が強く反映されています。

感情vs理性

ロマン主義は感情や個々の考えたといったことに重きを置いていましたが、新古典主義は理性や秩序といったことや写実的で正確なライン、デッサンなどが重要視されていました。

そのため、ロマン主義は感情で古典主義は理性といったように対極的な考えをしており、そう言った部分が大きな違いと言えるのではないでしょうか。

イメージとしては、理想を追い求めるロマン主義、常に合理的な現実的な新古典主義といった風に捉えることができるのかもしれないですね。

テーマも違った

ロマン主義と新古典主義では重きを置く部分に違いがありましたが、両者では対象となるテーマも異なっていたようです。

まず、ロマン主義は恋愛や自然に対する賞賛、過去への憧れ、民族意識の高揚などがテーマとなっていました。

しかし、それに対して新古典主義では神話や歴史的できごと、ナポレオン・ボナパルトの英雄像といったことがテーマとされることが多かったようです。

色彩や構図

ロマン主義と新古典主義ではテーマに違いがありましたが、それは色彩や構図といった部分にも現れていました。

ロマン主義は内面の感情を表現するために躍動感があって劇的な構図となっており、光と影や強烈な色使いをすることが多かったです。

しかし、新古典主義は調和や秩序といったことを重要視していたのでバランスが取れた対照的な構図が用いられ、落ち着いた色合いとなっていました。

ロマン主義と新古典主義は対となる芸術思想と言われることもあるので、こういった違いがあったことが影響しているのかもしれません。

広い範囲に影響を与えた

ロマン主義はこれまでの芸術思想と同じように広い範囲に影響を与えていました。その中でもロマン主義の影響を強く受けたとされているのはイギリス、ドイツ、ベルギー、ポルトガル、キューバ、アルゼンチン、ブラジルといった国々で、ヨーロッパだけではなく南米諸国にも広がっていったそうです。

ロマン主義の影響を受けた人物としては、ドイツでのヴァーリス、ヘルダーリン、グリム兄弟、ハイネ、フランスではスタール夫人、シャトーブリアン、ユーゴー、イギリスでは詩人のワーズワース、歴史小説のスコットなどが挙げられます。

ロマン主義の日本での影響は?

ロマン主義は芸術・文学・音楽といった分野にも浸透していき、様々な国に影響を与えてきました。そして、ロマン主義の影響を受けていたのはヨーロッパや南米の国々だけではなく、遠く離れた日本にも広まっていたとされています。

日本におけるロマン主義の影響はかなりあり、流行していた時代には現代の多くの人が知っている文学作品などが生み出されてきました。

では、ロマン主義は日本でどのような影響を与えていたのでしょうか。

それでは、ロマン主義と日本との繋がりを詳しくみていきましょう。

明治中期に入ってきた

16世紀後半から西洋文化は日本国内に少しずつ入ってきていましたが、1860年頃から異文化を積極的に取り入れる文明開化が始まりました。文明開化に伴い、日本国内に洋服やガス灯、レンガ造りといったものが使用されるようになり、その過程でロマン主義の影響を受けるようになります。

具体的にロマン主義が日本国内で広まるようになっていたのは、明治中期の1890年前後だとされています。

ただ、ロマン主義の影響を受けたのは絵画や彫刻といったジャンルではなく、文学作品でした。

独自に発展

ロマン主義時代には森鴎外の『舞姫』や樋口一葉の短編小説『たけくらべ』、与謝野晶子の『みだれ髪』といった作品が挙げられます。

しかし、1906年に発行された国木田独歩の『破戒』によってロマン主義から自然主義文学にシフトしていくようになりました。そのため、日本国内におけるロマン主義の時代は短く、明治時代末には自然主義に移行していたようです。

ただ、1935年になると新たなロマン主義を模索しようとする動きがあり、日本浪漫派が登場しました。日本浪漫派は反近代主義や古代賛美の色合いが強いとされています。

まとめ

今回はロマン主義とは何か、歴史と新古典主義との違い、日本での影響について解説しました。

ロマン主義は新古典主義とは対極にあるような芸術思想で、それまでの概念をひっくり返すようなテーマなどになっていたとされています。

ロマン主義の考えは日本にも伝わってきており、「浪漫」という当て字は『吾輩は猫である』などで知られる夏目漱石が考案したとされているようですね。