モナリザが怖いと感じる理由を解説!2枚存在する絵の違いについても

モナリザが怖いと感じる理由を解説!2枚存在する絵の違いについても

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レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」は、世界でもっとも有名な絵画でありながら、「なんとなく怖い」と感じる人も多い作品で、それぞれに歴史的な意味や表情の違いがあります。ここではモナリザ絵が怖いと言われる心理や、や絵の魅力や制作背景、2枚のモナリザの違い、そして現在どこで見ることができるのかまでまとめて解説します。

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この絵にまつわる歴史

モナリザはレオナルド・ダ・ヴィンチが16世紀初頭に描いたとされる肖像画で、モデルはフィレンツェの商人フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻リザ・デル・ジョコンドと考えられています。ポプラ板に油彩で描かれた縦長の半身像で、柔らかい陰影と背景の幻想的な風景が特徴です。制作は1503〜1506年ごろに始まり、1517年ごろまで手が入れられていた可能性も指摘されています。 レオナルドの死後、フランス王フランソワ1世が作品を取得し、のちにフランス国家の所有となりました。現在はルーヴル美術館を代表する作品として、年間1000万人規模の来館者の目的地になっています。

出典元:CNN.co.jp

魅力と美術史上の特徴

モナリザは「ルネサンス絵画の到達点」とも呼ばれ、その魅力は複数の要素の組み合わせにあります。レオナルド特有のスフマート(輪郭をぼかしながら色と陰影を重ねる技法)によって、肌や衣服の質感、ほおの丸みが非常に滑らかに表現され、実在する人物がそこに座っているかのような存在感を生み出しています。 三分の四正面のポーズや、手を重ねて静かに座る構図は、その後のヨーロッパ肖像画の定番となりました。また、遠景の入り組んだ山や川の風景は、人物の内面的世界を暗示するようにも解釈され、美術史家からは「人間の心理を背景ごと描いた初期の例」と評価されています。

制作背景とモデルの素性

歴史的な資料から、モナリザのモデルはフィレンツェの富裕な絹商人フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻リザであるとする説が、現在もっとも有力です。 新居の購入や次男の誕生を祝うために依頼された肖像画だった可能性が高いとされていますが、レオナルドは依頼主に作品を渡さず、晩年まで自分の手元で描き続けていたと伝えられます。 その理由については、画家自身が作品を気に入り売る気にならなかった、技術的な実験の場として描き続けたなど、さまざまな推測がなされています。この「作者が手放さなかった一枚」という経緯も、作品にどこかミステリアスな印象を加えていると言えるでしょう。

絵にまつわる事件と都市伝説

モナリザの名声を決定づけた大事件が、1911年の盗難です。ルーヴル美術館の元職員ヴィンチェンツォ・ペルージャが愛国心を理由に持ち去り、絵は2年以上行方不明になりましたが、1913年にイタリアで発見・返還されました。この事件が世界的な報道合戦を引き起こし、「モナリザ=特別な絵」というイメージが一気に固まったとされています。 その後も酸をかけられるケースや、石を投げつけられて絵肌の一部が損傷するなど、複数回の攻撃を受けましたが、現在は防弾ガラス越しに展示されているため、直接の被害は避けられています。

現在見られる場所と所有者

オリジナルのモナリザは、パリのルーヴル美術館サル・デ・エタ(改装後は専用ギャラリー予定)に展示されています。作品はフランス国家の所有であり、レオナルドの死後に王フランソワ1世が購入したのち、国有財産となりました。 現在は防弾ガラスと厳格な温湿度管理のもとで保護され、年間数百万人の来館者が短時間の対面を求めて列をなしています。今後の大規模改装計画では、モナリザ専用室を設けて鑑賞環境を改善する方針も発表されています。一方、工房作のプラド版モナリザはマドリードのプラド美術館で公開されており、より鮮やかな色彩と細部を落ち着いて鑑賞することができます。

モナリザを「怖い」と感じる心理

モナリザを初めて見た人で「怖い」、「落ち着かない」と感じる人もいます。その大きな理由として、表情の“感情が読めなさすぎる”点が挙げられます。近年の心理学研究では、モナリザの表情が「喜びと悲しみの中間」に位置づけられる、高度に曖昧な表情であると分析されました。 人は他人の顔から感情を読み取ろうとしますが、その結果がはっきりしないと不安や「不気味さ」を感じやすくなります。またモナリザが「怖い」と感じる要素として、この絵はリアルな人間の顔に近いため、いわゆる「不気味の谷」に似た反応が起こりやすいとも指摘されています。

もう1枚のモナリザ①:プラド美術館版

実はモナリザには、スペインのプラド美術館に所蔵される「プラド版モナリザ(ラ・ジョコンダ)」という、レオナルド工房によるほぼ同構図の作品が存在します。長らく地味なコピーと見なされていましたが、2011〜2012年の修復で背景の黒い上塗りが除去され、ルーヴル版と非常によく似た風景が現れました。 ルーヴル版よりニスの変色が少ないため、当時の色彩や細部が鮮明に残っており、「若々しく、やや明るいモナリザ」として評価されています。

もう1枚のモナリザ②:アイルワース版など

もう一つ「第二のモナリザ」として話題になるのが、スイスの個人コレクションにある「アイルワース・モナリザ」です。18世紀にイギリスにもたらされたとされるこの作品は、同じリザ・デル・ジョコンドを、やや若い姿で描いた油彩画で、20世紀初頭から「レオナルドによる初期版ではないか」という主張が繰り返されています。 ただし真作かどうかについて専門家の意見は大きく割れており、公的な美術館に収蔵されたプラド版とは異なり、学界でも決着はついていません。

まとめ

モナリザが「怖い」と感じられるのは、写実的でありながら感情と視線が驚くほど曖昧に描かれているからだと言えます。微笑みは幸福とも憂鬱とも受け取れるように設計され、視線も「見られているのかどうか確信が持てない」位置に設定されていることが、心理学的にも示されています。 さらにプラド版やアイルワース版といった「もう1枚のモナリザ」の存在が、作品の起源やレオナルドの制作過程への興味をかき立てられます。 恐ろしさと魅力が表裏一体になったこの肖像画は、今後も世界中の人々に「なぜこんなに気になるのか」を考えさせ続けるでしょう。

この記事を書いた人

サイトにアクセスしていただきありがとうございます!関東在住のオフィスワーカーこころです。ヨーロッパへの旅行が好きで、その中で美術館を訪れる機会が増えたことで絵画に興味を持つようになりました♪これまで興味がわかなかった方も楽しんでアートを身近に感じてもらえるような情報を発信していきます。

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