絵画などといった芸術には時代によって様々な思想・特徴があり、政治とリンクしていることもあります。18世紀から19世紀頃には新古典主義という芸術的思想が広まっていましたが、その時代の建物にはどのような特徴があるのでしょうか。
そこで今回は、新古典主義とは何か、歴史や政治とのつながり、建築物について解説します。
新古典主義とは|歴史や政治とのつながりを解説!
現代アートはデジタルアート、パフォーマンス、インスタレーションなど、ジャンルの境界を超えた表現が用いられてきています。
18世紀中頃から19世紀初頭にかけて、ヨーロッパの建築・絵画・彫刻といったジャンルで中心となっていたのが、新古典主義という芸術思想です。新古典主義の前はバロック・ロココ様式、後はロマン主義といった思想が主流となっていましたが、どのような特徴があるのでしょうか。
それでは、新古典主義とは何か、歴史や政治とのつながりについて詳しくみていきましょう。
18世紀前半に遺跡を発見
18世紀から19世紀頃に新古典主義が広まるようになったのは、イタリアのヘルクラネウムとポンペイという町で遺跡が発掘されたことが影響しています。遺跡が発掘されたことをきっかけに、当時の西洋人は古代への関心を強めるようになったそうです。
そして、同時期にドイツの美術評論家であるヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマンという人物が、ギリシア賛美の評論『ギリシア』と『古代美術史』を執筆し、それらのことが新古典主義と背景になっているとされています。
バロック・ロココ様式に反発
新古典主義の1つ前の芸術思想にはバロック・ロココ様式というものがありました。バロック・ロココ様式は17世紀から18世紀前半に台頭していたそうです。
バロック様式はカトリック教会の信者を獲得するために、宗教的な場面をオーバーに描いており、激しいコンストラストなどが特徴でした。
一方で、ロココ様式は貴族や富裕層といった上流階級が好むような派手さのある作品が多く、エレガントな装飾や官能的な色彩が特徴とされていたようです。
ただ、そういった芸術思想が長く続いていたので、反発する形で新古典主義が誕生しました。
新古典主義はクラシカル
新古典主義はクラッシクと表現されることがあるほどで、古代人へのリスペクトが感じられる作品が多くありました。
バロック・ロココ様式は派手さが好まれていましたが、新古典主義では古代ギリシャ・ローマ美術へ回帰されており、調和や均整のとれた構成であることが多かったそうです。そのため、絵画や彫刻などは規則正しい形状や対称性が追求されていました。
また、絵画に関しては過度に派手ではない色彩と正確なライン、デッサンが重要視され、現実を忠実に描こうとする風潮が強かったそうです。
フランス革命とのつながり
新古典主義が台頭していた18世紀後半は、啓蒙思想がヨーロッパ全土に広がっており、秩序や理性、科学といったことが重要視されていました。そして、そういった部分は新古典主義にも取り入れられており、それによって高く評価されていたともされています。
そして、多くの人が知っている偉人であるナポレオン・ボナパルトの登場によって古代の英雄主義的な作品がより好まれるようになっていったそうです。
ちなみに、革命派の中にナポレオン・ボナパルトに心酔していた画家がいたそうで、その人物によって様々な作品が描かれました。
ナポレオン失脚と共に衰退
上記でも説明したように、新古典主義とナポレオン・ボナパルトは深い繋がりがありました。新古典主義が広まっていく過程で、ナポレオン・ボナパルトが馬に乗っている肖像画が描かれ、それによって英雄という存在がカッコイイと思われるようになっていきます。しかし、これはナポレオン・ボナパルトが権力・影響力を持つために描かれたものと考えられており、新古典主義はプロパガンダに利用されていたようです。
そのあめ、ナポレオン・ボナパルトが1814年に敗北すると、新古典主義の画家も国を追われていきました。
ロマン主義に移行
新古典主義は合理主義、理性偏重とされていました。それに対して、新古典主義の後に台頭してきたロマン主義は感受性や主観などに重きを置いた思想で、18世紀末から19世紀前半にヨーロッパで広まっていきます。
ロマン主義は新古典主義とは対をなすともされており、恋愛賛美や民族意識の向上、近代国民国家形成を促進しました。また、ロマン主義は芸術や音楽、演劇、文芸といった様々なジャンルにも影響を与えてたとされています。
新古典主義|建築物についても解説
新古典主義は政治とも結びつきがあったこともあり、ヨーロッパを中心に広まっていきました。そして、新古典主義は絵画や彫刻といった美術作品だけはなく建築物に対しても影響をもたらしたとされています。
そんな新古典主義は古代ギリシャ・ローマの様式を再現しているという特徴があり、、理性・秩序・簡潔さ・均整美といったことに重きを置いていたそうです。では、具体的にどういった建築物が新古典主義に該当するのでしょうか。
特徴
新古典主義はバロック・ロココ様式とは対照的になっており、シンプルかつ調和が取れた構成で控えめながら重厚な装飾が施されていたのが特徴です。
また、建築物のデザインは左右対称で直線や矩形、円などのシンプルな幾何学的な形が多用されていました。具体的には円柱やドーム、円形ホール、ペディメント、アーチといった建築要素が組み込まれていたそうです。
代表的な建物
新古典主義の建築物は古典的なモチーフとなっており、威厳と品格のあるデザインとなっているものが多いです。
新古典主義の代表的な建築物はフランス・パリにある凱旋門、世界的な観光地としても知られているイギリス・ロンドンの大英博物館、アメリカ合衆国の首都・ワシントンD.Cにある大統領官邸のホワイトハウスやアメリカ合衆国議会議事堂などが該当すると言われています。
このように、新古典主義様式が用いられた建物は数多くあり、公共施設や政府施設に採用されているケースが多いようですね。
まとめ
今回は、新古典主義とは何か、歴史や政治とのつながり、建築物について解説しました。
新古典主義は控えめながらも美しいデザインとなっているので独特の重厚感があり、広々とした空間となっているのがメリットですが、似たような外観であることがデメリットとも言われています。
新古典主義様式はアジア圏内の文化とは異なる特徴などがあるので、比較などをしてみると面白いかもしれないですね。




