芸術に詳しくない人でも印象派もしくは印象主義という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、芸術思想・運動の中には印象派とは別にポスト印象派という考え方もあるようですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、印象派とは何か、絵画の特徴はどこなのか、ポスト印象派との違いについて解説します。
印象派とは|絵画の特徴はどこ?
絵画の世界ではよく耳にする印象派という言葉ですが、どのような特徴があるのでしょうか。
印象派はフランス・パリで開催された芸術運動の1つだとされており、この時代には現代にも名前が知られているような名画が多く誕生してきたそうです。では、印象派の画家によって描かれた絵画にはどのような特徴があるのでしょうか。
それでは印象派とはどういったものなのか、絵画の特徴について詳しく探っていきましょう。
アカデミーのルールから外れる
印象派が主流となる前のフランスでは、17世紀以降から新古典主義の影響が強くアカデミーに反映されていました。また、新古典主義の影響下にあったアカデミーは美術関連の仰星や教育などを掌握し、古代ギリシャ・ローマ時代の作品を手本にして歴史や神話、聖書などをテーマにした歴史画が高く評価されるという風潮があったそうです。
そして、それ以外のジャンルの作品は評価が低く、筆跡を残さないで光沢のある理想美を描くのがアカデミーのルールとなっていました。
しかし、19世紀になるとルールに従わない画家が登場していきます。
写実的などの流行
印象派は19世紀後半のフランス・パリが中心地となっていました。しかし、その先駆けとなっていたのは新古典主義の後に誕生したロマン主義や写実主義、バルビゾン派といった画家だとされています。
特に、印象派が主流となる前の19世紀中頃は、ありのままの世界を描くことに重きを置いていた写実主義が流行していました。写実主義は個人の理想などを描いていたロマン主義とは対となる芸術思想とされています。
1830年からはバルビゾン派
写実主義と同じようにありのままの風景などを描いていたのが、バルビゾン派というグループです。
バルビゾン派は1830年頃から誕生したグループで、都会にはない美しさなどを風景画として描くことに特化した画家たちのことを指しています。バルビゾン派という名前の由来は画家が滞在していた村の名前が関係しているそうです。
バルビゾン派の代表作として知られているのが、ジャン=フランソワ・ミレーの『落ち穂拾い』となっています。
印象派の誕生
バルビゾン派を受け継ぐような形で誕生したのが、19世紀後半に誕生した印象派です。
印象派は1870年代から1880年代には突出した存在となっていました。また、印象派という名前の由来はフランスの有名な画家であるクロード・モネの『印象・日の出』という作品に由来しているとされています。クロード・モネの作品が由来となった理由は、ルイ・ルロワという批評家がパリの風刺新聞で痛烈に批判したことなどが影響しているそうです。
しかし、厳しい意見が出される中でも印象派の作品を評価してくれる人物がいました。
パトロンなどの存在
印象派の作品を高く評価した人物というのが、フランスの画商であるポール・デュラン=リュエルです。ポール・デュラン=リュエルは当時まだ無名だったクロード・モネといった印象派の画家の作品を購入し、普及活動に尽力しました。
そして、ポール・デュラン=リュエルの尽力もあり、金融家や医師、歌手なども購入するようになり、ついにはアメリカにまで市場拡大をすることに成功し、一時代を築くことになったようです。
雰囲気・印象を描く
印象派が台頭するまでは、ありのままの風景などを描く写実主義が流行していました。
しかし、印象派は写実主義とは違った特徴があり、それは見たものを瞬時に捉えて光や空気感を描くというものでした。
そのため、印象派の画家は正確さよりも、自身が感じた雰囲気や印象といったことを重要視していたと言われています。
独特なタッチと鮮やかな色彩
印象派以前では筆跡を残さないように描くことやパレットで色を混ぜることが主流となっていました。
しかし、印象派の画家たちはパレットで色を混ぜずに、小さなタッチでキャンバスに描いていくという筆触分割という手法を用いていたようです。絵の具は混ぜてしまうことで発色が悪くなるとされており、印象派の鮮やかな色彩は筆触分割が用いられていたことが影響しているのではないでしょうか。
また、印象派では黒を使うことを避けるルールがあったようで、影や暗い部分を表現するときには色を混ぜて描いていました。
外で描く
印象派は光の表現などに拘っており、日常の情景や人々の様子、自然を描くために外で作業することが多かったそうです。
しかし、印象派が流行するまでは外で描くことは難しいとされていました。というのも、当時はチューブに絵の具が入っている訳ではなかったので、持ち運ぶのが容易ではなかったそうです。
しかし、産業革命による技術力の発展によってチューブに入った絵の具が生まれ、多くの画家は外で描くようになったとされています。
印象派とポスト印象派との違いについて解説
印象派が流行した後の1880年代からポスト印象派と呼ばれる画家たちが活躍するようになりました。
ポスト印象派は後期印象派とも呼ばれており、印象派の技法や考えを受けつつも新たな画風を作り出すことを目指していたそうです。ポスト印象派の代表的な画家といえば、世界的にも名が知られているフィンセント・ヴァン・ゴッホが挙げられますが、印象派とはどのような違いがあるのでしょうか。
より内面を描いた
印象派は自身が見たものを描いていました。しかし、ポスト印象派は自身が感じたものなどを描いていたのが特徴です。
そのため、ポスト印象派は感受性や精神性といった内面を色や形で表現することが多く、心理的な深みを与える色彩も使用されていました。
しっかりとした構成
印象派の作品は見たものをその場で描くというように即興性が高くなっていました。
それに対してポスト印象派は、構成や造形の安定性に重きを置いています。また、絵の具を厚塗りしたり、荒々しいタッチで描いたりすることで感情面や精神といった内面部分を表現したことも違いとして挙げられることが多いです。
まとめ
今回は印象派とは何か、絵画の特徴はどこなのか、ポスト印象派との違いについて解説しました。
印象派やポスト印象派には多くの人が知っている有名画家の名前があり、どういった変化してきたのかということを知ると新たな発見がありますね。そのため、美術館などに行く前にどういった時代背景があったのか、各芸術思想の特徴などを知っておくとより楽しむことができるのではないでしょうか。




