28歳の若さでこの世を去った画家エゴンシーレの展覧会は、世界各地で開かれるたびに多くの人を集めています。なぜこれほど人気があるのか、人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』とどんな関係があるのか気になりますよね。この記事では、エゴンシーレの生い立ちや代表作もあわせて、知れば知るほど面白くなる魅力をたっぷりご紹介します!
エゴンシーレ展が人気の理由は?
エゴンシーレ展が世界中で人気を集める理由は、一度見たら忘れられないほど強烈で個性的な画風にあります。そしてその作品はウィーンの美術館に多く集まっているため、ほかの国でまとめて見られる機会はそう多くありません。
さらに、28歳という若さで亡くなった天才の生き様も、多くの人の心を強く引きつけてきました。このような貴重さも重なって、エゴンシーレ展は開かれるたびに世界中のファンの間で大きな話題を呼んでいるのです。没後100年にあたる2018年には記念の展覧会が開かれ、世界中から注目を集めました。
一度見たら忘れられない強烈な画風
エゴンシーレの絵を見てまず驚くのは、ぐにゃりとねじれた体や、骨ばった指先の表現ではないでしょうか。鋭く走る線と不安定な形が組み合わさり、描かれた人物の心の揺れまで伝わってくるような迫力があります。
エゴンシーレは短い生涯の中で100点を超える自画像を描き、自分自身を何度も何度も見つめ続けました。その表情は自信に満ちていたり、どこか不安げだったりと、作品ごとにまったく違う顔を見せています。100年以上前に描かれた絵とは思えないほど新しく感じられるところも、今なお多くのファンを生み続けている理由です。
世界各地で開かれたエゴンシーレ展
世界最大のシーレコレクションを持つのは、220点ほどを所蔵するウィーンのレオポルド美術館です。ここ数年も世界各地でエゴンシーレの展覧会が開かれているので、主なものを表にまとめました。
| 開催地 | 展覧会名 | 会期 |
| トゥルン(エゴンシーレ美術館) | エゴン・シーレとオスカー・ココシュカライバル | 2026年3月28日~11月1日 |
| ウィーン(ウィーンミュージアム) | Schiele & Peschka | 2026年4月30日~9月27日 |
| ニューヨーク(ノイエギャラリー) | エゴンシーレ:エルヴィン・フォン・グラフ博士の肖像 | 2026年2月12日~5月25日 |
| 東京(東京都美術館) | レオポルド美術館エゴン・シーレ展 | 2023年1月26日~4月9日 |
エゴンシーレとジョジョの関係は?
エゴンシーレ展とジョジョの関係は、作者の荒木飛呂彦がエゴンシーレから影響を受けているといわれている点にあります。2023年の東京での開催前には、経済誌でもシーレの描く人物が荒木飛呂彦に大きな影響を与えたと紹介されていました。
そのため日本では、ジョジョファンにとっても見逃せない展覧会として大きな注目を集めたのです。シーレの名前を知らなくてもどこか見覚えのあるような、不思議な懐かしさを感じるかもしれません。シーレとジョジョの絵はどんなところが似ているのか、具体的なポイントをくわしく見ていきましょう。
人物表現から影響を受けている?
エゴンシーレの人物画に見られる大胆なポーズや、見る人を射抜くような強い視線は、一度見るとなかなか頭から離れません。荒木飛呂彦は西洋美術にくわしいことで知られ、実際にジョジョの中では、彼らが描いた人物とそっくりなポーズや顔が描かれることも。
東京の展覧会を訪れた人からも、ジョジョのキャラクターを思い出したという声が多く聞かれました。シーレの絵を見てから漫画を読み返すと、キャラクターのポーズや手の形に思わぬ発見があるかもしれません。
ジョジョ立ちのヒントはイタリア彫刻にも
ジョジョといえば、腰を大きくひねった独特のポーズ「ジョジョ立ち」がとても有名です。このポーズもシーレの影響だと思われがちですが、ヒントになったのはイタリアの彫刻だといわれています。これは荒木飛呂彦が20代のころ、ほかの人気漫画に負けない個性を探す中で生まれたポーズ。
つまりジョジョの絵には、シーレだけでなく、さまざまな芸術のエッセンスが詰まっているといえます。エゴンシーレの絵とイタリア彫刻を見くらべてルーツを知ってから読み返すと、おなじみのジョジョ立ちがひと味違って見えてくるはずです。
エゴンシーレってどんな画家?
エゴンシーレは1890年にオーストリアで生まれ、19世紀末から20世紀はじめのウィーンで活躍した画家です。オーストリア表現主義を代表する画家の一人で、人間の内面や性を生々しく描いた作品で今も高く評価されています。
28年という短い生涯でしたが、その間に強烈な個性を放つ油彩画やドローイングを数多く残しました。ちなみにシーレが生まれた年は、あの有名な画家ゴッホがこの世を去った年でもあります。才能を認めてくれたクリムトの装飾的で華やかな作風とは異なり、独自の表現を切り開いた点もエゴンシーレの魅力です。
エゴンシーレの生い立ち
エゴンシーレはウィーン近郊の町トゥルンで、鉄道の駅長をしていた父のもとに生まれました。駅の2階が一家の住まいだったため、生まれた場所はなんと駅舎の中だったというから驚きです。
| 年 | できごと |
| 1890年 | トゥルンで生まれる |
| 1905年 | 父を亡くす |
| 1906年 | 16歳で美術アカデミーに入学 |
| 1909年 | アカデミーを退学し、新芸術家集団を結成 |
| 1912年 | 作品などをめぐる疑いで逮捕される |
| 1915年 | エーディト・ハルムスと結婚、徴兵される |
| 1918年 | ウィーン分離派展で大成功をおさめる |
| 1918年 | スペイン風邪で妊娠中の妻を亡くし3日後に死去 |
一度は見たい代表作
エゴンシーレの代表作には、自画像や家族を描いた作品など、心の内側がそのままにじみ出るようなものが多くあります。ここでは、とくに有名な4つの作品の制作年と所蔵先を、ひと目でわかるように表にまとめてみました。
| 作品名 | 制作年 | 所蔵 |
| ほおずきの実のある自画像 | 1912年 | レオポルド美術館 |
| 母と子 | 1912年 | レオポルド美術館 |
| 死と乙女 | 1915~16ねん | ベルヴェデーレ宮殿 |
| 家族 | 1918年 | ベルヴェデーレ宮殿 |
『家族』は自分と妻、そして生まれる前の我が子を描いた晩年作で、4作品の所蔵先はどれもウィーンにあります。
まとめ
エゴンシーレ展が世界中で人気なのは、強烈な画風と28歳で亡くなった天才の物語、そして作品に出会える機会の貴重さがあるからでした。荒木飛呂彦に影響を与えたといわれる画家として、ジョジョファンからも熱い注目を集めています。ウィーンやエゴンシーレの故郷トゥルンなど、作品に出会える場所を訪れて、ぜひ作品の魅力を感じてみてください。


